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ティーペック健康ニュース

第300号 2017/9/10  
発行:ティーペック株式会社

『もしもの災害に備えるー糖尿病への対応』

 世界でも有数の「災害大国」と呼ばれる日本。どこに住んでいても、誰もがいつ大きな自然災害に見舞われるか予想がつきません。特に地震は予知が難しく突然起きてしまうため、生活だけでなく医療をも寸断されてしまう恐れがあります。
 こうした災害による非常事態への備えとして、一般的には水や食料の備えが第一に考えられるでしょう。しかし、日常的に服薬や医療処置が必要な慢性疾患のある人たちにとって、薬や医療器具の確保が命に関わる最優先課題となります。
 中でも今や国民病といわれる糖尿病は、100万人以上の患者が血糖コントロールのためにインスリン製剤の注射によるインスリン療法を行っているといわれています。今回は、災害時に薬不足による危険にさらされやすい糖尿病について、患者が自身で乗り越えるための備えと、周囲にできる支援をご紹介します。
 災害時に最も大切なインスリンの確保
 糖尿病には主に、血糖を調節するホルモンであるインスリンが膵臓からほとんど分泌されない1型糖尿病と、インスリンの分泌はあるものの量が足りない、またはうまく働かず血糖コントロールが必要な2型糖尿病があります。糖尿病患者の9割以上を占め、生活習慣病の1つに数えられているのが2型糖尿病です。いずれもいったん糖尿病にかかると、ほとんどの場合が食事や薬物療法による治療が必要になります。
 薬物療法には、経口薬の服用と注射によりインスリンそのものを投与するインスリン療法があります。 インスリン療法は、インスリンを体外からしか補給できない1型患者にとっては生命に関わる治療です。また、患者数の多い2型の中にもインスリン療法を行っている患者は多く、突然中断すると急激に血糖値が乱れ、昏睡状態に陥ったり合併症を引き起こすなど、重篤な状態になる危険があります。
 糖尿病の人自身が必要な備えと心構え
 災害時に慌てないためには、日頃からの備えが肝心です。糖尿病の人は、かかりつけの医療機関や薬局を頼れない状況になったときに、自分を守るために必要な準備をしておくことが重要です。
●災害のイメージを明確に持つ
   防災訓練に参加するなどして災害が起きたときのことをイメージし、その際に必要となってくることなどを想定し、対応を考えておきましょう。
●自力で乗り切るための準備をしておく
   自宅のすぐ取り出せる場所にお薬手帳と1週間程度の薬等を保管し、外出時にも数日分の薬と医療器具をかばんに入れて持ち歩きましょう。
●いざというときは協力を頼む心の準備を
   災害時に相談できる窓口の確認と、薬が不足したときに周囲に説明できるよう、普段からインスリンの種類、薬品名や量を把握しておきましょう。
<災害発生時に持ち出すべきものリスト>
非常袋などに入れ、すぐ取り出せる所に置いておきましょう!
□経口薬  □インスリン自己注射セット(インスリン製剤、注射器、注射針など)
□血糖自己測定器  □お薬手帳(コピー可)  □保険証(コピー可)
□糖尿病連携手帳  □水、低血糖予防のためのブドウ糖飴
 災害時、糖尿病の人へ周囲ができること
 糖尿病の人は血糖コントロールがうまくいっているときは症状が安定しており、一見すると健康そうに見えます。そのため災害時に周囲がその人の緊急性を理解していないと、危機的状況にあっても必要とする助けが得られないということが起きてしまいます。災害時はインスリン注射が必要な糖尿病の人にとって、インスリンや注射器等の確保が大変重要であることをしっかり認識しておきましょう。
 また、糖尿病の人は被災によるストレスや生活環境の変化や生活リズムの乱れから、血糖コントロールがうまくいかず高血糖や低血糖となり体調を崩しやすくなります。できるだけ心と体に負担をかけないように気を配り、食事の要望を聞くなど、できる支援を考えて対応しましょう。
◇   ◇   ◇
 阪神・淡路大震災、東日本大震災、熊本地震など、日本では大地震が起きるたびに慢性疾患用の薬が不足し、患者本人や家族、または医療機関が手を尽くし、医療機関や医療品メーカーが調達支援に奔走するという事態が起きています。
 災害直後は救命救急や避難所の現場でも混乱を極めます。避難生活が長期化することも考えられます。今後の災害時に備え、糖尿病など慢性疾患のある人はぜひ万全と思える備えをしておきたいものです。
<参考資料>
『被災地での健康を守るために』(厚生労働省ホームページ)
ほか
原稿・社会保険研究所©
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