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ティーペック健康ニュース

第294号 2017/3/10  
発行:ティーペック株式会社

『腸から心と体を元気に』

 腸は単に食べ物を消化・吸収するだけではなく、体に入った食べ物が安全かどうかを脳からの指示なしに見分け、判断している、いわば“考える臓器”です。そのため腸には大脳に匹敵するほどの数の神経細胞があり、このことから「腸は第2の脳」ともいわれます。
 さらに近年の研究より、腸と体全体との密接な関係がよく知られるようになってきました。腸には体内の免疫細胞の6〜7割が集中しているため、病気予防に果たす役割がこれまで考えられていた以上に大きいことが分かってきたのです。腸内環境を良くすることで免疫力が向上し、認知症や糖尿病をはじめとした生活習慣病、うつ病のほか、さまざまな免疫疾患の予防につながると期待が持たれています。
 体の真ん中で私たちの健康を守ってくれている臓器、腸が本来の機能を十分に発揮できるよう、腸内環境を意識した生活を心掛け、心と体を健やかに保ちましょう。
 腸内フローラは健康の見張り番
 腸の健康のカギを握っているのが腸内細菌です。腸の中にはさまざまな腸内細菌が生息し、細菌同士が集まって「腸内フローラ」と呼ばれる群生をつくっています。遺伝子解析の結果では腸内細菌の数は1,000兆個以上。よく知られた乳酸菌、ビフィズス菌以外の培養が難しい菌まで含めると3万種の菌がいます。
 この腸内細菌が免疫を活性化して病原菌を排除したり、食物繊維を消化するのを助けたり、ビタミンを合成するなどの多様な役割を果たしているのです。また、幸せを感じる物質といわれる脳内の神経伝達物質・セロトニンの90%を合成することから、心の健康にも影響しているとみられています。
【腸内細菌の働き】
●免疫の働きを活性化する
   腸の免疫の仕組みを刺激して免疫の働きを活性化します。
●病原菌を排除する
   腸内にすみついて壁面を覆うことにより、侵入した病原菌や有害菌の増殖を防ぎ、感染から守っています。
●消化、吸収を促進する
   消化を助ける酵素を分泌して腸の働きを活発にし、消化を促進。また、コレステロールや中性脂肪などの脂質の消化、吸収をコントロールしたり、余分な脂質の排泄を促進します。
●ビタミン類を合成する
   ビタミンB群や葉酸などのビタミン類を合成します。
●幸せを感じる神経伝達物質の合成
   幸せを感じる神経伝達物質であるセロトニンを合成します。
 腸内細菌が元気なら腸年齢も若く
 腸内細菌はその働きから大きく3種類に分けられます。体に良い働きをする「善玉菌」、悪い働きをする「悪玉菌」、過半数を占め、優勢な方の味方になる「日和見(ひよりみ)菌」です。腸内細菌の種類や数は年齢とともに変化します。善玉菌が多ければ腸は若々しく保たれますが、悪玉菌が多ければ腸は老化して免疫力も低下していきます。
 通常は60歳を過ぎてくると腸の働きが鈍化して、悪玉菌が増えていきます。しかし、最近は老年期にある人でも若々しい腸内環境を保っている人もいる一方、逆に若くても悪玉菌が優勢で腸の老化が進んでいる人が多くなっています
 世代を問わず大事なのは、腸内細菌全体を元気にさせつつ、悪玉菌に悪さをさせないこと。善玉菌の活動を活発にすれば、日和見菌も善玉菌に加勢し、悪玉菌が悪さをするのを抑え込んでくれます。
 あなたの腸年齢をチェック
※当てはまるものが多いほど、腸の老化が進んでいます! 便通や生活習慣を改善しましょう。
便秘がちで何日も便が出ない
いつも便が固い、緩い
便やおならがいつも臭い
食事は肉中心で野菜は少ない
朝食は食べないことが多い
肌荒れやにきびが多いのが悩み
睡眠不足が続いている
発酵食品(納豆やヨーグルトなど)は苦手
日常生活で体を動かさず運動不足だ
プロバイオティクスで腸を元気に
 最近よく耳にする「プロバイオティクス」とは、乱れた腸内フローラを「生きた細菌類」を用いてバランスのよい環境に保つことで、善玉菌である生きた乳酸菌やビフィズス菌などが入ったヨーグルトや飲料、植物性乳酸菌でできるぬか漬け、納豆、みそなどの発酵食品を取る方法です。また、善玉菌の餌になるオリゴ糖などの物質を腸内に取り込もうという「プレバイオティクス」も行われ始めました。さらにプロバイオティクスと組み合わせた「シンバイオティクス」も登場し、善玉菌を外から腸に届ける健康法が注目されています。
◇   ◇   ◇
 近頃は、腸内細菌を増やす暮らしのことを「貯菌生活」と呼んだり、「腸活」「腸トレ」「腸育」などのユニークなネーミングで、腸を元気にするさまざまな健康法がメディアで紹介されています。さらに、プロバイオティクスをうたった乳酸菌入りなどの新商品が次々と発売され、発酵食専門のおしゃれなレストランも登場しています。
 一方、こうした目新しさと並行して、発酵食品や食物繊維が多い日本古来の食文化が見直されています。世界的な和食ブームと相まって、健康を考える現代人にとって、腸内環境に良い日本の伝統食は最高にクールに映るようです。
 腸内環境の改善は何歳からでも遅くありません。腸(超)美人、腸(超)イケメンを目指して、腸内環境を整える食事と適度な運動で、今から腸年齢のアンチエイジングを始めましょう。
<参考資料>
『さわやか』2015年春号(制作/社会保険研究所)
ほか
原稿・社会保険研究所©
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