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ティーペック健康ニュース

第293号 2017/2/10  
発行:ティーペック株式会社

『過労を防ぐために「休むこと」を前向きに考えよう』

 働き盛りの過労死や自殺、うつ病についてのニュースがあふれる現代社会では、多くの人が職場でストレスや疲れを抱えています。とはいえ、仕事に追われる忙しい毎日の中では、自分の疲労についてなかなか自覚しにくいものです。無自覚のまま放置してしまうと、次第に「疲労の蓄積」、そして「過労」ということになりかねません。一歩間違うと命に関わることにもなってしまいます。
 こうした最悪の負のスパイラルに陥らないためには、企業側の労働環境の改善はもちろんですが、私たちが「休む」ということについて、もっと前向きに捉えていく必要があるでしょう。今後「どう働くか」と「どう休むか」は、セットとして考えるべき課題となっていくものと思われます。そのためには、自ら仕事による疲労を察知し、状況に合った回復法や休養のあり方を身に付けることが大切です。
 休むことは積極的な行動
 これまでの社会ではどうしても「眠って休む」より「起きて働く」方に価値があると考えてしまいがちでした。しかし、人間の心身の仕組みは、バランスの上に成り立っています。「仕事と休息」「覚醒と睡眠」などはすべて一体であり、休むからこそ働くことができる、つまり休養は働くことと同等の価値があるということです。
 そして、体力には「行動体力」と「防衛体力」という考え方があるそうです。行動体力とは持久力、跳躍力、瞬発力などをいい、防衛体力とは病気に対しての抵抗力や回復力をいいます。このうち、休むことは防衛体力の充電や調整をすることであり、体力維持のための積極的な活動なのです。
 「それまでと違うこと」で疲労回復に
 ではどんな休み方が仕事の疲労を解消してくれるのでしょうか。休むというと安静にしているというイメージがありますが、じっとしていることだけが休むことになるわけではありません。
 人は、豊かな自然や新鮮な空気、十分な太陽光線や森林浴、適度な運動など、「普段と違う環境」に身を置くことで緊張や興奮から解き放たれ、心身の疲れが和らぐことが分かっています。しかし、多忙でまとまった時間が取れないなどの場合には、「別のことをする」だけでも、疲労回復になるそうです。
 デスクワークなどで疲労がたまっている人は、仕事の合間にできる以下の簡単な疲労回復方法をぜひ試してみてください。こんな簡単な、「それまでと違うこと」をするだけで、疲れた脳や凝り固まった体を一休みさせ、消耗を防ぐことになります。
<仕事の合間にできる「それまでと違うこと」>
◆ 首をぐるっと回す、手首を振る
◆ 立ち上がり、廊下やトイレに行ってリフレッシュする
◆ 1つの仕事ばかり続けず、仕事の内容を変えてみる
◆ 休憩時間におしゃべりする
 過労がひどくなっていませんか? チェックしてみましょう
 疲労のたまり具合は、心身に現れる症状からある程度判断することができます。以下のような疲労やストレスからくる症状の自己診断を普段から心掛け、いち早く原因を取り除く、あるいは予防しましょう。
□ 怒りっぽくなって、子供や部下をささいなことでよく叱る
□ 単純ミス、勘違い、ど忘れが増えた
□ 朝起きたとき、シャキッとしない、やる気が出ない
□ 頭痛や首、肩凝りがあり、耳鳴りがする
□ 心臓が締め付けられる感じがする、動悸・めまいがする
□ 突然呼吸が苦しくなることがある
□ 目がしょぼしょぼする、目の奥が痛くなる
□ 立ちくらみやふらつくことがある
□ 決断力が鈍り、さまざまな場面で判断に迷うことがある
□ いくら寝ても眠く、職場や電車の中で居眠りをしがちだ
□ フラフラしてまっすぐ歩けない
□ いすやトイレの便座に一度座ると、しばらく立つ気が起きない
□ 眠りに入りにくい、寝ても2〜3時間で目が覚める
※これらの症状が継続して続く場合は危険信号です。放置せずに医療機関を受診しましょう。
◇   ◇   ◇
 かつて日本では、休日や早朝から夜中まで働く会社員が「企業戦士」などと呼ばれて、長時間労働を美徳とした時代がありました。近代化が進んだ明治時代以降、休むことは「=さぼること」という考えが根深くなり、気が引けたり、罪悪感を持つことが特に多くなった高度成長期の風潮です。
 時を経て経済状況や人々の価値観が変化していく中、過重労働、パワハラ、ブラック企業など、ここ数年で新たな労働環境の問題点が次々と明るみになってきていますが、依然として解決される兆しが見えません。最近では、大手広告代理店の新入社員が過重労働により過労自殺に追い込まれ、厚生労働省の「過重労働撲滅特別対策班」(通称・かとく)が同企業に立ち入り調査を行ったことが報道され、大いに注目を集めました。かとくの狙いは、是正勧告を受けても改善しなかった同企業に対する戒めとともに、この問題を契機に「長時間労働は犯罪」という認識を広めることにあるといいます。
 「美徳」から「犯罪」へ。日本人は今、長時間働くことに対して、ようやく大きな意識転換を求められています。私たちも日々意識を持って、自分だけでなく周囲の人の過労にも気を配っていきたいものです。
<参考資料>
『健康づくりのためのいきいき休養ブック』(制作/社会保険研究所)
ほか
原稿・社会保険研究所©
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